バリアフリー

バリアフリーリフォーム 静岡|介護保険住宅改修費の活用と工事内容

公開: 2026-05-25 / 監修: 1級建築士 / 出典: 厚生労働省・静岡県・国税庁

バリアフリーリフォームの目的と必要性は?

バリアフリーリフォームは、高齢者・要介護者・障害のある方が住み慣れた自宅で安全に暮らし続けられるよう、住宅内の段差解消・手すり設置・引戸変更・浴室や便器の改修等を行う工事です。家庭内事故(転倒・浴室での溺水・ヒートショック)の予防、介護負担の軽減、自立支援の3点が主目的で、介護保険住宅改修費・自治体補助・所得税控除の併用で費用負担を抑えられます。

家庭内事故とリフォームの関係

厚生労働省の人口動態統計によれば、家庭内事故による死亡は高齢者で多く、特に浴室での溺水・転倒・階段からの転落が上位を占めます。冬季の脱衣所と浴室の温度差によるヒートショック(ヒートショック関連死)も社会課題となっており、バリアフリー改修は断熱改修と組み合わせることで予防効果を高められます。

介護保険住宅改修費(上限¥20万・9割支給)の対象工事と申請手順

介護保険の住宅改修費(介護保険法第45条等)は、要支援1〜要介護5の認定者を対象に、住宅改修費用のうち上限¥20万円の範囲で7〜9割(所得段階により異なる)を支給する制度です。手すり設置・段差解消・床材変更・引戸変更・洋式便器交換と、それらに付帯する工事が対象となります。

対象となる工事6種類(厚生労働省告示)

  1. 手すりの取付け: 廊下・階段・浴室・トイレ・玄関等での転倒防止
  2. 段差の解消: 居室間・玄関の上り框・浴室出入口等の段差除去
  3. 床材または通路面の材料変更: 滑り防止・移動円滑化(畳→フローリング・タイル→クッションフロア 等)
  4. 引戸等への扉の取替: 開き戸→引戸・折戸・アコーディオンカーテン等
  5. 洋式便器等への便器の取替: 和式→洋式・暖房便座・洗浄機能付きへ
  6. 上記5項目に付帯する工事: 手すり取付の下地補強・引戸変更に伴う壁工事 等

申請の流れ(事前申請必須)

  1. ケアマネジャー(または地域包括支援センター)に相談
  2. 住宅改修が必要な理由書をケアマネが作成
  3. 業者から見積書を取得・施工前の写真を撮影
  4. 市町村介護保険課に事前申請(理由書・見積書・写真・改修箇所の図面)
  5. 申請承認の通知を受領後、着工
  6. 工事完了・領収書受領
  7. 支給申請(完了報告書・領収書・施工後写真)
  8. 市町村から保険給付金を受領(償還払い又は受領委任払い)

※受領委任払い(業者が代理受領)を採用している市町村と、施主が立替後に償還払いを受ける市町村があります。事前にケアマネ・市町村に支払方法を確認してください。

部位別のバリアフリー工事内容と費用相場

バリアフリー工事は、生活動線上の障害物を1か所ずつ除去していく考え方で進めます。費用は工事規模により¥3万〜¥100万超まで幅広く、介護保険住宅改修費(¥20万までの工事費に対し7〜9割支給)を超える工事は自治体補助・所得税控除・自己資金を組み合わせます。

部位/工事主な工事内容費用相場(税込・目安)
手すり設置(1か所)廊下・階段・トイレ・浴室・玄関等¥1〜5万
段差解消居室間・玄関の上り框・浴室出入口¥3〜15万
スロープ設置(玄関等)勾配1/12以下を確保するスロープ造作¥10〜40万
引戸への変更開き戸→引戸・付帯壁工事含む¥10〜25万
床材変更(滑り止め)畳→フローリング・タイル→クッションフロア¥5〜20万(1部屋)
和式→洋式便器和式便器撤去・洋式便器設置・床壁張替¥20〜50万
浴室バリアフリー化ユニットバス交換+段差解消+手すり+滑止床¥80〜180万
階段昇降機(電動)直線型・曲線型・屋外型¥50〜200万

※費用は標準的なケースの目安。階段昇降機等は介護保険住宅改修費の対象外(別途福祉用具貸与の対象となる場合あり)。実費は現地調査が必要です。

浴室・トイレ・玄関のバリアフリー化の優先順位

家庭内事故の発生頻度・重篤度の観点から、バリアフリー化の優先順位は一般に「浴室→トイレ→玄関→廊下・階段」の順で検討されます。特に浴室はヒートショック・転倒・溺水の3大リスクが集中する場所で、断熱改修との同時施工が推奨されます。

浴室バリアフリー化の標準仕様

  • 出入口段差の解消: 既存の高さのある段差を解消(脱衣所と同じ高さに)
  • 滑りにくい床材: 樹脂系の滑り止め床・FRP製ユニットバスの転倒対策仕様
  • 手すり複数設置: 浴槽出入り・洗い場・浴室扉の3か所が標準
  • 浴槽の高さ調整: またぎ高さを抑えた跨ぎやすい浴槽(深さ500mm前後)
  • 浴室暖房: ヒートショック対策に脱衣所・浴室の暖房を新設(浴室乾燥機との一体型が一般的)

トイレ・玄関での標準的なバリアフリー化

  • トイレ: 手すり設置・洋式化・引戸化・暖房便座・夜間照明のセンサー化
  • 玄関: 上がり框の段差解消(腰掛けベンチ併設)・スロープ・手すり・センサーライト

静岡県・市町村独自の高齢者住宅改修補助制度

静岡県と県内市町村は、介護保険の住宅改修費を補完する独自の高齢者住宅改修補助・障害者向け住宅改修補助を運用しています。介護認定がない高齢者世帯・住宅改修費¥20万円を超える工事・障害者手帳保持者の改修等で活用可能なケースがあります。

市町村独自制度の主な傾向

  • 高齢者住宅改修補助: 65歳以上の高齢者世帯・所得制限あり・介護保険を補完する形で運用
  • 障害者住宅改修費: 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳保持者の改修
  • 日常生活用具給付: 浴室・トイレ等の改修と並行して福祉用具(浴槽手すり・入浴台等)の給付
  • 住宅リフォーム助成: 静岡市・浜松市・沼津市・富士市等の一般リフォーム助成の中にバリアフリー枠が含まれる

※制度内容・補助上限・申請窓口は市町村ごとに異なります。最新情報は居住地市町村の高齢福祉課・障害福祉課・住宅政策課でご確認ください。

所得税控除・固定資産税減額の併用

バリアフリー改修工事を行った場合、所得税の住宅特定改修特別税額控除(投資型・ローン型)や固定資産税の翌年度1/3減額の対象となる可能性があります。これらは介護保険住宅改修費とは別枠の税制優遇で、要件を満たせば併用可能です。

バリアフリー改修の主な税制優遇(2024年度時点)

制度主な要件控除内容
所得税(投資型減税)50歳以上・要支援/要介護者と同居等・標準的工事費50万円超標準的工事費の10%(上限¥20万)を所得税から控除
所得税(ローン型減税)5年以上のリフォームローン利用5年間で最大¥62.5万の所得税減税(他改修と組合せ)
固定資産税減額築10年以上・工事費50万円超・床面積要件翌年度の固定資産税1/3減額(100㎡相当まで)

※要件・控除額・申告方法は税制改正で変更されます。最新情報は国税庁・国土交通省の公式ガイドラインをご確認ください。介護保険住宅改修費との併用は基本的に可能ですが、補助金分を差し引いた自己負担額が控除計算の基礎となります。

よくある質問(FAQ)

介護認定がなくてもバリアフリー補助金は受けられますか?
介護保険住宅改修費は要支援1〜要介護5の認定者が対象です。介護認定がない場合は、自治体独自の高齢者住宅改修補助(静岡市・浜松市・沼津市等で運用)や、国の子育てエコホーム支援事業のバリアフリー工事区分が利用できる場合があります。所得税の住宅特定改修特別税額控除も介護認定不要の制度です。
介護保険の住宅改修は何回でも使えますか?
介護保険住宅改修費の上限¥20万は原則1人につき生涯1回までです。ただし、要介護度が3段階以上重くなった場合や、引越して住居が変わった場合は再度¥20万まで利用できる「リセット」の特例があります。複数回に分けて申請することも可能です(合算で¥20万まで)。
介護保険の住宅改修は工事してから申請でいいですか?
いいえ、必ず工事着工前にケアマネジャー経由で市町村介護保険課に事前申請が必要です。事前申請なしに着工した工事は補助対象外となります。申請には住宅改修が必要な理由書(ケアマネ作成)・工事費見積書・住宅改修箇所の写真等が必要です。
賃貸住宅でもバリアフリー改修できますか?
賃貸住宅でも所有者(大家)の承諾があれば介護保険住宅改修費の対象となります。承諾書の取得が申請時に必要です。原状回復義務との関係から、手すり設置等の小規模改修が一般的で、構造変更を伴う大規模改修は所有者と十分な協議が必要です。
段差解消にスロープと段差プレートはどちらがおすすめですか?
車椅子利用または近い将来予定される場合はスロープ(造作工事・1/12勾配以下が目安)、自立歩行で短期的に段差を緩和したい場合は段差プレート(置き型)が適しています。スロープは介護保険住宅改修費の対象工事ですが、設置スペースが必要です。段差プレートは福祉用具のレンタル・購入(別の介護保険給付)で対応可能なケースもあります。

介護リフォーム・バリアフリー改修の無料相談

ケアマネジャー連携の事前申請から、介護保険住宅改修費(上限¥20万)・市町村補助・所得税控除の併用設計まで対応。要介護者・高齢者世帯の住み慣れた家を守ります。

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最終更新: 2026-05-25
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